講演会・セミナーのキャスティング、講演依頼は講師派遣ナビコラム・インタビュー死にたいと生きづらさを抱える若者へのサポート|講師 小杉沙織

死にたいと生きづらさを抱える若者へのサポート|講師 小杉沙織

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目次
  1. 増え続ける子どもの自殺
  2. 正論を言わない
  3. ただ受け止める
  4. 「死にたい」にも色々な種類がある

増え続ける子どもの自殺

日本はかれこれ10年以上、悲しいことに子どもの自殺率が先進国で第一位というのを継続し続けています。

特に夏休み明けの9月1日は子どもの自殺が増えると言われ始めて数年経ちますが、今年はコロナ禍ということもあり、例年より子どもの自殺が増えており、私が代表を務めるNPO法人若者メンタルサポート協会でも、子ども達からの相談はもちろん、そうしたメディア取材も激増している状況で、活動をはじめて8年、団体を立ち上げて5年、相談件数は増える一方で、現在では10代の子ども達から1ヶ月4万通を超える相談が届きます。

正論を言わない

そうした取材や講演の際に必ず聞かれる質問があるのですが、それは「死にたいと言っている子や、悩んでる子にどう対応したらいいですか?」というもの。

生きづらさを抱える子への声かけに皆さん悩まれているようで、私が主宰しているカウンセラー養成講座でも、そうしたカウンセラーや教育関係の方が学びに来ることも多く、それだけ繊細な思春期の子ども達の対応に悩んでる大人が多いというのを痛感しています。

もし身近に希死念慮や生きづらさを抱えている子がいたら、是非気をつけて頂きたいのは『正論を言わないこと』です。

正論とは「命は大事だから」や「生きたくても病気で死んじゃう人もいるんだよ」「死なないで」などといった言葉。

つい大人は自殺を止めたくてそうした声かけをしてしまいがちなのですが、こうした正論は子ども本人も当然わかっています。

むしろ「そんなことわかってるよ!でも辛いんだから死なせてよ!」といった追い詰められた気持ちを増幅させ、信頼関係が切れてしまいます。

子ども達はみんな、そんなことは充分わかってるけど、それでも死にたいくらい目の前の現実が辛くて苦しいんだという、その気持ちをわかってほしいのです。

ただ受け止める

そしてもうひとつ、励ましのつもりで言いがちな「生きてたらきっと良いことあるから!」というような言葉も、生きづらさを抱えてる子には辛い言葉になります。

生きる希望も目標もなく、どこにも居場所がない子たちにとって、アテのない未来のことを言われても心にまったく響かないどころか「この人は何もわかってくれない」とそこから信頼関係が一気に切れてしまうことすらあります。

一番大事なのは、正論で止めようとしたり励ますのではなく「それだけ辛い状況なんだね」とその子の辛い気持ちをただただ受け止めることです。

そして、それを打ち明けてくれたことに対して「話してくれてありがとう」と言葉にして伝えること。

「よく言ってくれたね」という労いの気持ちをこめて伝えることです。

どうしても大人は動揺したり、腫れ物に触るような扱いをしてしまいがちなのですが、そんな姿は見せず、どんと構えた大きな包容力で受け止め聴いてあげる、それを大事にしてください。

 

「死にたい」にも色々な種類がある

ちなみに、その「死にたい」にも、実は色々な種類があるということも今回少しだけお話しすると…

・死んで楽になりたい、死んで今の苦しい現実から解放されたいと「死」を願う死にたい。
・死にたいよりも消えてなくなりたい、泡のように消えてなくなりたいという消滅願望のような死にたい。
・自分もすべて何もかも壊したい、ゲームのように人生を壊したいと願う、リセットしたいの死にたい。
・もう二度と目覚めることなく、ただずーっと眠っていたいと願う、目覚めたくない死にたい。
 

「死にたい」という言葉ひとつにも、こんなふうに種類があると講座や講演でも話していますが、 全てに共通するのは自分の存在を消し去りたいという孤独な願いです。

誰にも言えず、誰にもわかってもらえず、誰にも受け止めてもらえず、誰にも寄り添ってもらえず、今すぐ自分の存在を消し去りたいと心の中で叫び続けてる子が今この時も日本には本当にたくさん存在しています。

もしそんな子がいたら「よく今までひとりで頑張ってきたね」と、心から労ってあげてください。

「命は大事」「生きたくても生きれない人もいる」「死なないで」「生きて」といった正論は決して言わずに、ただ黙って受け止めてあげてほしいと思います。

「よく頑張ってきたね」「よく今まで生きてきてくれたね」と、ただ辛く苦しい気持ちに大人として寄り添ってほしいと思います。

この豊かな国日本の「子どもの自殺率世界一」という悲しい現実と記録が、1日も早く終わりを告げ、子どもたちが心から自信と誇りを持って生きていける国となるよう、この活動を通し日々感じております。

小杉沙織(旧 岡田沙織) こすぎさおり

NPO法人若者メンタルサポート協会理事長、株式会社Tell Me Agency共同代表取締役、一般社団法人レディースメンタルサポート協会代表理事、あすぷろ実行委員会理事、全米NLPマスタープラクティショナー

幼少期からドラッグや自殺未遂・家出・レイプ・中絶など波瀾な人生を送り、数々の経験をする。 2010年から心理学やスピリチュアルを学び、2012年から自身の経験を活かして悩める若者の24時間LINE相談活動を始め、2015年NPO法人若者メンタルサポート協会を設立。 ブログ「心が楽になる魔法」で人生を変えるメッセージ...

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