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コロナ禍での子ども若者たち

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コロナ禍により安心できるはずの我が家が恐怖の場所になりつつある現状と、向き合うべき親の姿について、若者メンタルサポート協会理事長・小杉沙織氏に解説していただきます。

目次
  1. コロナ禍による居場所の変化
  2. 原因は「ストレスフルな親」
  3. 家庭内に埋もれるSOS
  4. 生きづらさを抱える子どもたち

コロナ禍による居場所の変化

2020年はじめにコロナが流行し、緊急事態宣言という未曾有の出来事に世界中が襲われ、私たち大人はもちろん、子ども若者たちも心身ともに疲弊している子たちが激増しています。

居場所のない若者たちに、当団体でも定期的に食事会やゲーム大会などのリアルに集まれる居場所やイベントを開催していましたが、コロナ禍で中止を余儀無くされ、2020年6月からzoomを使ったオンライン居場所「みんなの家オンライン」を開設いたしました。

そこには小学生から大学生までの10代の子ども若者たちが連日15~30人ほど集まります。一番子どもたちがツラくなる時間帯の夜間に開設することで、自殺の予防はもちろん、子どもたちが少しでも安心できる居場所を提供したい…そうした想いでクラウドファンディングを初めて立ち上げ開設したオンラインの居場所です。

原因は「ストレスフルな親」

2021年はコロナ禍での子どもの自殺の増加や中高生の様々な事件事故の報道から、テレビや新聞などのメディア取材も例年より激増し、オンライン居場所の取材もいくつかお受けしたのですが、そこでも子どもたちは切実な現状をたくさん話してくれました。

たとえば…小学6年生の女の子は、コロナ禍で学校のあらゆるイベントが中止になり、前年はまだ5年生だったから良かったけど、小学生最後の6年生も修学旅行も何も思い出作りができないということを嘆いていたり、また、高校1年生の女の子は、想像していた高校生活が全く送れず、みんなマスクしてるから表情もわからずうまくコミュニケーションが取れず友達もなかなか作れないということや、やはりイベントがすべて中止になる現状に悲しんでいました。

このコロナ禍で相談が増えた理由や原因を取材の際に必ず聞かれますが、私の見解としてはやはり『ストレスフルな親(大人)』が原因だと感じています。コロナ禍前から日本は子どもの自殺率が世界一の状態が何年も続いていて、そうした子どもたちの相談に日々対応していると、どれだけ今子どもたちが親から無条件の愛情をもらえていないかを痛感します。本来なら成人し巣立つまで、親は子どもを無条件に愛し見守るというのがあるべき姿ですが、今の日本には条件付きでしか子どもを愛せない親が増えています。

家庭内に埋もれるSOS

条件付きとはどういうことかというと、「学校行かないなんてそんなの許しません」とか「大学合格しなかったら出て行け」のような「〇〇を頑張ってるから良い子」「〇〇ができないお前はダメな子」のように、親が思う何かをできる子ならば認めるけれど、それができないなら認めないといったような、条件をクリアしないと親から愛されない認められないといった親御さんが本当に多いのです。

また、コロナ禍で収入が減っていたり、テレワークでずっと家族が一緒にいるという環境から親自身がストレスフルになり、たとえば両親の喧嘩が増えて見ていてツライとか、中には両親が喧嘩の挙句に部屋に入ってきて「元はと言えばお前の学費のせいでパパもママもこうなったんだ!」と喧嘩の原因を子どものせいにして八つ当たりする、そんな親もいます。

虐待が増えたり、中には父親からのレイプなど、そうしたこともこのコロナ禍では増えましたが、どこの家庭でも起こり得るような両親の喧嘩や親のストレスの八つ当たりなどで、子どもたちがより一層居場所を無くし、死にたい消えたいと悩み苦しんでいる…そうした状況がコロナ禍で増えたのが現状です。

生きづらさを抱える子どもたち

マスクの徹底や黙食(給食時に黙って食べること)など今までになかったルールや規則が増えたことに加え、楽しみにしていた大切な学校行事の中止や思うように友達とコミュニケーションが取れない寂しさ、オンライン授業の不安、コロナ禍での宿題の激増など子どもたちもコロナで相当なストレスや心身の負担があるにもかかわらず、親である大人たちはつい自分のツラさや大変さだけに囚われ、子どもの気持ちに寄り添えないどころか、否定したり八つ当たりをしたり、本来なら安心できる居場所のはずの家庭内が子どもたちにとって安心できない恐怖の場所になりつつある、そうした現状がこのコロナ禍で起きています。

親である大人たちも、このコロナ禍で大きな負担や悩みも増え心身ともに疲弊していることと思います。ですが、ほんの少しだけ、子どもたちもこのコロナ禍で色々な悩みや不安を抱えているということに少しでも目を向けて欲しいと思います。

大切な学生時代を友達と遊べず、交流も思うようにできず、勉強もオンラインでなかなかついて行けない、行事も中止や縮小され、学生の時しかできないことがことごとく失われている、そんな子どもたちの苦しみにも目を向けて、お子さんのいる方は是非いつも以上に温かく見守り話を聴いてあげるなどお子さんとのご家庭でのコミュニケーションの時間を大切にしていただきたいと思います。

小杉沙織(旧 岡田沙織) こすぎさおり

NPO法人若者メンタルサポート協会理事長、株式会社Tell Me Agency共同代表取締役、一般社団法人レディースメンタルサポート協会代表理事、あすぷろ実行委員会理事、全米NLPマスタープラクティショナー

幼少期からドラッグや自殺未遂・家出・レイプ・中絶など波瀾な人生を送り、数々の経験をする。 2010年から心理学やスピリチュアルを学び、2012年から自身の経験を活かして悩める若者の24時間LINE相談活動を始め、2015年NPO法人若者メンタルサポート協会を設立。 ブログ「心が楽になる魔法」で人生を変えるメッセージ...

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